The 1975ボーカル、マシューヒーリーについて知られていないこと-Things you don't know about Matthew Healy from The 1975-

 

 

 

 

 

 

 

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The 1975といえば、有名で、ポップで、明るい、よくある恋愛を叫ぶようなバンドとしてのイメージが強いかもしれないが実際は真逆。

 

 

 

 

 

 

 

私がこれから紹介することは、The 1975のボーカルであるマシュー(ファンの間ではマティーと呼ばれている)・ヒーリーについて、彼の薬物依存、彼がこれまで歌ってきたことについて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • マシュー・ヒーリー

 

 

 

 

彼はマンチェスターで育ち、14歳から現在のバンドメンバーとバンド活動を始めた。

今のバンド名に至るまで4回名前を変更しており、The 1975というバンドとしてのキャリアは2013年9月から始まった。

 

 

 

 

彼の両親はともにショービジネス界で働いている名の知れた有名人であり、その影響もあり彼が幼い頃から音楽の才能を見いだすことができたと言われている。

 

 

 

 

 

彼にはルイ(Louis)という現在17歳の弟がおり、ルイは彼に影響を受け楽曲の制作や、役者として少しづつメディアに出始めている。

 

 

 

 

 

 

ルイが母親と共演した際の鬱と自殺がテーマのショートフィルム


Black Eyed Susan, Full Film

 

 

 

 

 

 

 

 

高校卒業後、彼の父親はマティに音楽専攻の大学に行かせたものの、彼は学校を音楽活動をするうえでの障害として捉えおり、楽曲を制作することや、当時彼がやっていた中華料理屋でのバイトで稼ぐことに忙しく、わずか3か月で大学を中退している。

 

 

 

 

 この頃から彼の薬物中毒が始まっていた。

 

 

 

 

彼の性格を話すと、彼は集中力が長く続かず、常になにかをしていないと気が済まないことで有名らしい。

しかし逆にその短期集中型の性格が彼の音楽にいい影響をもたらしているそう。

 

 

 

 

 

 

彼は最近のPOPミュージック界を常に批判しており、それらの音楽を”浅はかだ”と語っている。

そのためか、ジャスティンビーバーに対し喧嘩を吹っ掛けたり、ハリースタイルズのファンとツイッター上で口論を繰り広げたり、"Love Me"のMVでは有名セレブリティの等身大パネルを背景に彼らを皮肉った歌詞も歌った。

 

 

 

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"Love Me"music video

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 彼の薬物依存について

 

 

 

 

 

The 1975のMVを何本か観たことのある人にはわかるかと思うが、彼は薬物依存にしばらく苦しんでいた。

 

当時は薬のことについて曲を出すことも何度かあった。

 

 


The 1975 - Chocolate (Official Music Video)

 

 

 

 

 

マティの母親(女優・TV司会者)が息子の薬物依存とそれに対する母親としての心境を話しているインタビューがYouTubeに上がっていたので私なりに訳してみる。

 

 

 

 彼女は、

私たちは仕事の場が全く異なるため、メディアで大っぴらにお互いのことを話すことをあまりよくないとされていたの。

 

マティが27歳のころ、彼は自分自身が薬物に毒されていることに気づいたの。でもその頃彼はワールドツアー中で、私は彼に十分なケアをしてあげることができなかった。

 

私自身も、マティが小さいころから鬱に悩まされていて、部屋でウォッカ片手にあがいていたこともあったわ。

 

ルイ(弟)は私たち夫婦が精神的問題からクリーンになった頃に育った子だから、健康的に育ってくれたことに感謝しているけど、一方でマティが小さい頃は、子供が育つには良くない環境で、良くないものを何度か見せて育ててしまった。

 

それは親として恥ずべきことで罪悪感もある。

もしあの頃をやり直せるなら、もちろんやり直したいと思う。

 

でも彼は私に、”常に自分を責める必要はない。”と言ってくれたの。

 

私は、彼が自身の薬物に対する問題を自分に対してだけでなく、若くして同じ薬物依存に悩む子たちのために社会に話してくれたことを誇りに思う。

 

そして今は薬物依存を克服し、3つ目のアルバムもこれから発表されようとしている。彼は男として、息子として、そして兄として素晴らしい人間なの。

 

 

 

 

3つ目のアルバムを発表する前に彼はリハビリに通い今はクリーンであるが、再び薬物への扉を開いてしまわないようファンとしては祈るばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 彼がこれまで歌ってきたこと

 

 

The 1975は現在(2019年1月)までに3つアルバムを発表している。

歌詞制作はマティに加えてドラムのジョージと二人で行っている。

今では政治的な歌詞が多いといわれているThe 1975も、デビュー当時に歌っていたことは今とは異なっていて、3枚を比較するとグラデーションのような変化を感じ取ることができるため、アルバム別で追っていきたいと思う。

 

 

 

ファーストアルバム:The 1975

このアルバムは主にSEXやドラッグ、父親との口論での怒り、彼氏のいる女性を好きになることについて歌っているのは2曲もあり、先ほど紹介したChocolateもこのアルバムに収録されている。ドラッグに関して言えば、The Cityという曲は当時犯罪を犯してでもドラッグを手に入れたかった自分たち若者について書かれている。

 

私なりの感想としては、この頃の歌詞は女性に依存しているものが多く、さらにいつも不健康な関係について歌っている曲が多い。ダメなことだとわかっているが学ぶには若すぎる故いつも追いかけてしまうといった、あまり大声では言えないが誰しも一度は経験したこと、夢見たことのあるような少し破天荒な若者の内容である。

 

 


The 1975 - Sex (Album Version)

 

 

 

 

 

 

セカンドアルバム:君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。

このアルバムのファーストと違うところは、社会について言及し始めたところ。

まさに先ほど紹介したLove Meもこのアルバムに収録されていることに加え、Loving Someoneという題の曲に関して言えば、この愛するという意味は男女のそれではなく、人としてだれか大切な人を愛するべきだと歌っており、”ギリシャ経済で小切手を巧みに現金化するように”など少し難しい表現の仕方もこの頃から始まっているように思う。

She's Americanという楽曲では、イギリス人特有の、”彼女はアメリカ人だから僕は食べない”=イギリス人としての社会的地位を比喩している。

恋愛に関しての曲も変わらず収録しているが、この頃は少しビターな曲が多い。

Somebody Elseでは、元カノに新しい恋人ができたことに戸惑い受け入れられない感情、A Change Of Heartでは終わってしまった恋を、”気が変わっただけ”と自身に言い聞かせる内容。泣きたいときに聴くにはおすすめ。

 

 

このアルバムの私なりの感想としては、曲自体はファーストより少しポップな響きに聴こえるように作られてはいるが、曲に込められたマイナスな感情や薬物依存もまだこの頃は強く曲に反映されている印象があった。UGH!ではその依存性をポップに歌っていて、これは日本でもヒットした一曲ではあるので街でよく耳にしていたが、ここまでポップでまさか薬物に関しての歌だとは、当時の私も気が付かなかったため今とても驚いている。

 

 


The 1975 - UGH!

 

 

 

 

 

 サードアルバム:ネット上の人間関係についての簡単な調査

題名の通り、スタイルは変わらず進化を続けている彼ら。

このアルバムが発表される前にマティは薬物依存のリハビリから戻ってきている。

アルバム2曲目のGive Yourself A Tryは、”若いころの君になんて言葉をかけるんだ?ヒゲを伸ばし、ウイスキーの味はもう美味しいとは思えない。でも不思議なことに金だけは稼げる。日の当たるところで薬漬けになってくそみたいな種や植物に時間を費やして。”と、自身の薬物依存の克服を経たからこそ言えるなかなかハードなことを言ったうえで、”だから今チャレンジしてみたら?”という希望に変えたメッセージを送っている。

Love It If We Made Itはまさに社会に対するメッセージだ。

退化、自慰、化石燃料、移住に関して、さらにはラッパーのカニエウェストや一昨年薬物の過剰摂取で亡くなったラッパーのリルピープの名前も出ている。

その中で自分たちの世代が何かを成し遂げられたら最高だと歌っている。歌詞もダイレクトでありながら、MVも歌詞のまま社会問題の映像が流れる、観て聴いて考えさせられる曲になっている。

Sincerity Is Scaryはこのアルバムの顔とも呼べるほどヒットした曲だが、歌詞は考えれば考えるほど混乱するため、この歌詞の捉え方は十人十色だと感じる。

 

個人的にはこのアルバムが一番彼らのボキャブラリーの幅広さ、新しい可能性、新しい音が込められているように思った。

 


The 1975 - Love It If We Made It (Official Video)

 

 

 

 

 

 

 いかがだっただろうか。

 

 

これを通し少しでもThe 1975のボーカル、マシューヒーリーについて理解が深まり彼らの楽曲の深い部分まで興味をもってくれたら幸いである。

 

 

彼らの4つ目のアルバム Notes on a Conditional Form(日本題不明)は今年の5月にリリース予定だ。